2024年06月07日
流血事件
あまり来ない利用者さん。
認知症・一人暮らしのおばあさん。口ぐせは「私は記憶喪失ですねん」
週に二回の利用予定だ。
休むという連絡もあったり、なかったり・・・。
家の中で一人倒れているのか? 毎回、送迎の最後にのぞきに行く。
「足が痛い」、「用事がある」、「気分が乗らない」(これが本心だ!)
10分ほどしゃべって帰る。毎回同じ話だ。
その日はめずらしく電話があった。
「今日は、行こうと思うので迎えに来てほしい」
久しぶりの利用であった。月に一度の顔見せなのか?
まあ良い、行ってみよう。
家の近くの玄関が見える場所に到着。
電話をかける。家の前の道は狭く、玄関の前に姿が見えたら
車を寄せて行くのが常である。
その時がやって来た。
出てきた! う〜ん何だ! 何かおかしい!
玄関の前で両手で✕のサイン!
何だ! 何があった! 初めて見る姿に戸惑う。
✕って何だ? チョメチョメか? あのドラマ見てたのか?
いや89歳のおばあさんだ! そんな訳ない。
これは・・・アクシデントだ!!
ヤバい! きっとヤバい事だ! 心臓がバクバクする! 走れ!!
近寄ると頭から大流血だ!!
「どうした!? 大丈夫・・?」応答あり。
庭でこけて石に頭を強打したらしい。119番通報・救急車要請!
それにしてもひどい出血だ!手に持っていたニット帽で圧迫する。
顔面に血が流れ、あごに血がしたたっている。
おばあさんは、化粧が濃い。
ファンデーションなのか、顔色が悪いのか見分けがつかない。
以前もこんな場面に遭遇したことはあるが、血まみれのおばあさんは、
・・・実に怖い、めちゃくちゃ怖い。
心臓の鼓動がさらに早くなる! 早く救急車来てくれ!
時々、車が通る。こっちを見ている。
血まみれのおばあさんと、ちょっとガタイのいい男。
強盗事件の犯人と被害者? 違う!違う!
救急車到着。
一連の状況を説明する。
救急隊員による応急処置をしてもらう。
隊員の聞き取りに「私は記憶喪失ですねん!」
出た!言ってる! 無事を確認。
頭部裂傷、その日のうちに家に帰る。
翌週・・・
「そんなことありましたか?」頭を強打した影響か?それとも記憶喪失か?
いやこれが、認知症だ。
posted by care-yuntaku at 15:00| 日記